免疫無効にする「くぼみ」発見=エイズ新薬に期待―名古屋医療センター

喉元過ぎれば暑さ忘れるとはよく言ったもので、
昨今ではHIVの話題及び報道はなくなってしまった。
実はピル解禁後避妊具を使わないせいでHIVの感染者は増えているのだが。
ただ、HIVの研究は着々と進められておりひとつの光明も見え始めたようだ。

エイズ後天性免疫不全症候群)を引き起こすエイズウイルスが、
ヒトの細胞内の免疫力を失わせる過程で、関係する部位を特定したと、
国立病院機構名古屋医療センター名古屋市)の岩谷靖雅室長らの
研究グループが発表した。
研究成果は23日付の米科学誌「ネイチャー・ストラクチャラル・
アンド・モレキュラー・バイオロジー」の電子版に掲載された。
岩谷室長は「エイズの新薬開発につながる可能性がある」と話している。
正直医学的なニュースであり私では、エイズウイルスの弱点が発見され、
新薬開発につながるかもしれない発見だということである。
通常HIV感染→エイズ発症が通常のエイズ発症過程だが、
HIV感染者は「エイズになるかもしれない」と怯えながら暮らすか、
検査をしないために不特定多数の人にHIVをバラまき感染させるか、
どちらかで、もともとの保菌者を含め不幸な結果しかなかった。
その中でエイズになってしまったらもうダメという状況が、
治療薬の開発可能性を発見したことは素晴らしいと思う。

ヒトは通常、リンパ球の中に存在するたんぱく質「アポベック3」で、
ウイルスから体を守っているが、いったんエイズウイルスに感染すると、
同ウイルスが作り出す特殊なたんぱく質とアポベック3が結合し、
免疫力を失うことが知られていた。
これだけを読んでもわかるように、エイズに関して人類は、
非常に無知な状態であったと言える。
また、エイズに関しての風評もエイズを考える機会を失っていたのだろう。

グループは、遺伝子操作でアポベック3を作り出してX線で解析。
その結果、アポベック3にエイズウイルスの、
特殊なたんぱく質が付着する「くぼみ」を発見した。
さらに、同ウイルスを入れた培養皿に遺伝子組み換えにより、
くぼみの形状を変化させたアポベック3を入れたところ、
エイズウイルスの増殖は止まり、死滅したという。 
やはり、遺伝子技術がここまでのエイズ解明に大きく関与したようだ。
遺伝子レベルの研究は今まで難病(不知の病)と言われた多くの病気を、
治療する大きな役割を果たしている。
遺伝子操作については倫理的に反対する声もあるが、
こと病気の治療に関しては全面解禁してもいいと思う。
反対されるべきはクローン生命体を作ることか。
特に食品に関しては遺伝子組み換え食品などでは、
どんな恐ろしいことが待っているかわからない。
まあそんなこともあってTPPには絶対反対の姿勢なんですけどね。

最後に、たとえ1回であろうが避妊具をつけないで性交の経験がある人、
もちろうん不特定多数の方はもっとリスクが上がっているが、
知らないあいだにHIVに感染している可能性はある。
是非とも保健所でHIV(性病全部)の検査を受けていただきたい。
ちなみに匿名でも受けられるし無料であるので。