<焼き肉食中毒>元社長が初めて直接謝罪 説明会で被害者に

ユッケで多数の食中毒者を出し、死者まで出た事件の、
焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」で発生した集団食中毒事件で、
運営会社である「フーズ・フォーラス」(本社・金沢市、特別清算中)、
によっての被害者説明会が31日、富山県高岡市で開かれた。
被害者説明会に出席した勘坂康弘元社長は被害者に対し直接謝罪した。
実は勘坂氏が公の場に姿を現すのはなんと8カ月ぶりであり、
被害者が集まった公の場で謝罪するのは初めてだということである。

勘坂氏の代理人などが説明したところによると、説明会の冒頭において、
勘坂氏は被害者に対して、
「お客様は安全だと信じて食べに来てくれた。
その信頼を裏切ってしまい、心からおわび申し上げます」と謝罪したという。
「安全にはできる限り配慮したが、
より最善な方法はなかったか思い悩んでいる」と語ったという。

勘坂氏は被害賠償については、「法律の範囲で可能な限り」と話し、
被害者からは「誠意を見せてほしい」などの声が相次いだという。
さすがに8ヶ月も身を隠しその間なんのお詫びも直接していないことは、
被害者にとってみれば怒りも当然ではないだろうか。
出席したある女性(51)は、
「(勘坂氏は)ずっと座ったまま。あの謝り方では何も伝わらず、
許す気になれない」と憤っていた。
まず心から謝罪していないことで被害者の不信感を買ったのだろう。

説明会では、食中毒を引き起こした肉を卸した「大和屋商店」や、
食肉処理場に対し同社が予定している訴訟への参加が促されたという。
安全性を求められる食肉業界の過程で、
卸や処理、販売の3者共が犯したミス。
訴訟参加が賠償の過程で必須であれば参加を求めるのもやむを得ないのか?
被害者は新たな訴訟への参加という足かせを嵌められる。