<被ばく隠しカバー>原発敷地内の鉛、無断加工 福島

世論の目が大飯原発再稼働に集中している中、
今のうちにと思ったのか福島が隠蔽工作され始めた。
東電が実質国有化になっている今、
隠蔽工作は東電と経産省の双方了解の下で行われたと推測される。

東京電力福島第1原発事故の収束作業で、
福島県の建設会社「ビルドアップ」役員が被ばく隠しを指示した問題で、
役員は、原発敷地内の倉庫にある放射線遮蔽用の鉛板を無断で使い、
警報付きポケット線量計を覆うカバーに加工していたことが、
ビ社への取材で分かった。不要となった鉛カバーは敷地内に廃棄した。
敷地への出入り時は持ち物と身体の検査が義務づけられているため、
材料を現地で調達し、廃棄したとみられる。
多分、これにとどまらない作為的な被爆隠しであろう。
政府はすぐにでも監視機関を設置して対応するべきだ。
野田総理大臣は総理所信表明演説で、
「震災の復興なくして日本の復興なし」と宣った。
東北は猛暑を迎えるというのにほとんど復興の動きが機能していない。
また、除線についても「やる」とは言うものの細野大臣は他原発問題で、
ほぼ動きが取れない状況である。
国会の質問などを見ても、「復興」などはどこ吹く風と無表情で、
他の閣僚に質問に答えさせる厚顔無恥さ。
そして今度は隠蔽工作原発の現場で起きた。

この隠蔽は、役員から工作を指示された従業員が、
ビ社などの聞き取り調査で証言したということであり、
政府、東電、経産省は黙認していたのではないか。

ビ社などによると、役員は昨年12月上旬、
作業前の準備で原発敷地に入った際、
資機材倉庫で従業員数人と厚さ数ミリの板状の鉛を工具を使って加工した。
失敗作も出たため、これらも含め敷地内で廃棄したという。
証言では大したことはしていない、
被爆などに関しての問題はないと言っているが、
こういった隠蔽作業が行われたということは、
他の作業や受託会社にも隠蔽作業があるのではと疑ってしまう。
喉元過ぎれば熱さ忘れるというが、福島原発爆発時あれほど恐れた被爆も、
忘れてしまうほど関係各所は麻痺してしまっているのか?
政府が麻痺どころか完全に記憶の中から消し去っているのは、
大飯原発再稼働という愚挙において証明されているのだが・・・

ビ社は、役員が昨年12月上旬〜20日の作業で初めて隠し工作を指示し、
鉛カバーを1回だけ使ったとしている。
役員は昨年3月と5〜7月にも収束作業に当たり、
鉛の保管場所を熟知していた。
まずはこの役員の氏名役職を公表し公開記者会見などを行うべきだろう。
また、記者クラブが機能しないなら国会参考人招致も必要だろう。
実際、この記事を読んだだけでは、
そう大事にする必要もないのかもしれないが氷山の一角ならばと思うと、
冷たい汗が流れる思いがする。
野田総理が横をむいてしまった東北復興から目をそらしてはならない。