<オウム>特別手配の菊地容疑者逮捕 「地下鉄サリン」関与

殺人狂信集団オウム真理教サリン事件の実行犯の一人が、
またその罪を認め逮捕された。
しかし、操作線上にいた容疑者の長期の潜伏期間は、
どのように逃亡していたのか、その真実も明らかになった。

地下鉄サリン事件などで警察庁から特別手配されていた、
オウム真理教アレフに改称)の元信者、
菊地直子容疑者(40)を警視庁捜査1課は3日、
相模原市緑区内の自宅で身柄を確保し、
地下鉄サリン事件についての殺人と殺人未遂容疑で逮捕した。
昨年12月末に平田信被告(47)が出頭・逮捕されており、
オウム真理教関連で特別手配者のうち行方が分かっていないのは元信者、
高橋克也容疑者(54)だけとなった。
しかし、教祖である麻原彰晃が死刑判決を受け、
また実行犯の次々が裁判を終了し服役中の中、
よくも今まで逃げ果せたものであると変な意味で感心してしまう。
普通の人間なら罪の意識に苛まれもっと早い段階で、
被害者の方々への謝罪の意味も込めて出頭・自首しようものなのだが。

警視庁によると、菊地容疑者は逮捕後、
「私がサリン生成に関わったことは間違いありません。
当時、何を作っているのか知らない状態でした」と供述しているという。
警視庁は4日、築地署に捜査本部を設置。
サリン事件の解明とともに、
逃走期間中に教団の組織的支援がなかったか確認を急ぐ。
当時何を作っているのかわからなかったというのは本当か?
サリン生成なので作る方も命懸けである。
それなりの慎重な生成方法が必要であり、指示もされていただろう。
サリンという名前ではなくても、
かなり危険なものを生成しているのはわかったはずだ。
オウム真理教は、VXガスなどの殺人化学兵器を作っていたのだから。

警視庁によると、本部に3日朝、
相模原市内の一戸建てに菊地容疑者に似た女性が男性と暮らしている」
との情報が寄せられ、捜査員が相模原市緑区の現場に急行。
同日午後8時前、徒歩で1人で帰宅した菊地容疑者に、
捜査員が「菊地か?」と聞くと「はい」と答え、
素直に捜査車両に乗り込んだという。
調べに対し「男と一緒に生活し、会社員として働いていた」とも説明している。
男性と暮らしていたというのは現在社会の状況から納得できる。
わからないのは、「会社員」として働いていたというところ。
非正規社員というならまだしも正社員なら勤務先の会社の人事的ミスも大きい。
履歴書を持ってその会社に採用されたなら、
少なくとも保証人は2名必要だろう。
サリン事件実行犯で大々的に指名手配されているときに、
まさか知人や親兄弟親戚が保証人になるとは思えないし謎である。

一緒に生活していた40代の男は3日午後10時過ぎ、
神奈川県警大和署に出頭した。
身柄を警視庁に移送し、犯人蔵匿容疑などで調べる。
まあ、この男性については同性の人間として同情する部分もある。
菊池容疑者と知らない間は将来の幸せな家庭も夢見ていたのかもしれない。
自ら出頭したものの、失うものは大きいだろう。

菊地容疑者の逮捕容疑は、95年3月20日朝、
営団地下鉄東京メトロ)千代田線などの車内でサリンがまかれ、
乗客ら12人が死亡、5500人以上が重軽傷を負った事件で、
サリン製造に関わったとしている。
菊池容疑者は自らが生成したサリンで多くの人たちが倒れていくのを、
どんな気持ちで見ていたのだろう。
麻原彰晃が裁判で死刑判決を受けるまで、
良心の呵責を感じなかったのだろうか?だから今まで隠れていたのか?
どちらにしても強かな女であることには間違いない。

菊地容疑者は教団「化学班」キャップ、
土谷正実死刑囚(47)が中心となった製造プロジェクトに関わり、
サリンの試薬や実験器具の購入を担当し、
サリンの実験工程をノートにまとめる役割を果たしたとされる。
また同事件のほか、95年5月に起きた東京都知事宛ての、
郵便物爆弾事件でも殺人未遂などの容疑で逮捕状が出ている。
上記のようにサリン事件で大きな役割を果たしただけでなく、
オウム真理教内部でかなり凶悪な事件の数々に手を染めている。
今後裁判が行われるであろうが、当然極刑が望まれるであろう。

菊地容疑者は95年6月ごろ、千葉県市川市内のアパートや、
同年10月ごろには名古屋市内で生活していたことが分かっていた。
また、96年11月に北村浩一受刑者(44)らが逮捕される直前まで、
埼玉県所沢市内のマンションに、
高橋容疑者や当時逃走中の北村受刑者ら4人とともに、
暮らしていたことも判明している。
これはオウムからの支援があった時までは仲間と逃げており、
支援が途絶えた時点で他の男性との生活で姿を隠したのではないか。
また頻繁に住所が入れ替わっているので、
逃亡のはっきりした意思があったものと思われる。

菊地容疑者は90年5月に出家、教団の「厚生省」に所属していた。
こんなところで名前を使われちゃ、いかに評判が悪いとはいえ、
厚生労働省」もいい迷惑であろう(笑)