<高速ツアーバス>8割超の250社に法令違反

高速ツアーバスの事故と言えば先般の関越道での事故が記憶に新しいが、
振り返ってみると惨事にならなかったものの運転手の飲酒や、
超過時間労働で事故が起こってもおかしくないケースはいくつもあった。
今後、夏休みなどで利用が増えると予想されるだけに、
今回の監査は重要だったと言えるだろう。

国土交通省は18日、高速ツアーバスを運行する、
全国の貸し切りバス業者298社を対象にした重点監査で、
8割を超す250社に道路運送法に基づく法令違反が見つかったと発表した。うち48社は会社の名前を貸し無許可営業させる「名義貸し」や、
日雇いの運転手が複数いるなど「重大な違反」が判明した。
同省は名義貸しについては行政処分に加え刑事告発も検討する。
これでなんとか水際で起こるべくして起こる事故を防いだ形だろう。
高速バスはなんと言っても運賃が安く済む。
また高速道路を使って自分で長距離運転すると、非常に疲れるし、
リラックスする時間がない。乗ってればOKの高速バスは重宝する。
しかし、この重点監査の結果を見るに利用する気はなくなった。
違反が8割とはどういうことか。そうしないと儲からないからか。
多くの人の命を預かる高速バス会社が利益だけを考えるなら、
その存在意義はない。即刻業務停止処分としてもらいたい。

重点監査は46人が死傷した関越道の高速ツアーバス事故を受け、
過労防止義務違反などの項目を中心に5〜6月に実施した。
直前の事故が一番物語るだろう。
それは過労防止の義務を会社が行なっているかである。

その結果、重大な違反として
▽「連続運転4時間まで」など乗務時間の基準が、
ほとんど守られていない(7社)
▽運転手の健康状態を把握する点呼が大多数実施されていない(5社)
▽複数の日雇い運転手がいる(15社)
▽名義貸し(1社)−−などが見つかった。
複数項目で違反があれば重大な違反とした。
この結果はとんでもないことである。営利のみを追求しているからこうなる。
このような違反行為をしないと営業できないのであるなら、
さっさと業務自体をやめ別の業種に転職するか、
廃業すべきではないだろうか。
ただ乗客である我々も反省しなければならない所はあるだろう。
それは「安ければいい」「安い会社のバス乗る」という考え方。
その考え方がバス会社に価格競争を余儀なくさせ、
違反が起こる一因ではないだろうか?

国交省は18日、今後も高速ツアーバスを運行する、
約230社のリストをホームページで公表した。
48社のうち26社が含まれている。
残り22社はすでにツアーバスの運行を取りやめている。
夏休みを前に、適切な安全管理を実施しているバス会社を選ぶ参考にと、
監査結果も掲載している。
国土交通省のホームページは、
よりリスクの少ないバス会社を表示していると思われる。
できれば価格よりも安全面で選んで欲しいものだ。
監査結果が表示されているので危険な高速バスを選ぶこともないだろう。
せっかくの夏休みなのだから、楽しい休みにしたいものだ。

監査を巡っては、これまでも体制の不備が指摘され、
国交省は「指導が不十分だった」と認めている。
抜本的に体制を見直すため今月中に有識者会議を設置し、
違反事業者への厳罰化も検討する。
お役人は何か大きなことが起きてからしか動かない。
あの関越道の惨事以前にも何ども事故は小規模ながらも起きている。
反省するよりも先に動いて欲しいと願うのが庶民だろう。
また、有識者会議というのはクエスチョンマークである。
何をもってして有識者というのか原発の自己の時に懲りた。
プルトニウムは食べても平気です」と言い放った東大教授がいたが、
あのように不見識な人も有識者なのか?
会議はもう必要ない。実地に動いて欲しい。