ソニーの電子書籍端末9980円、価格競争激化

需要が供給を上回れば自然と価格競争が起こり、
勝ち組と負け組が生まれる。

ソニーは3日、電子書籍端末「リーダー」の新モデルを、
9月21日に発売すると発表した。
希望小売価格は9980円と、
店頭想定価格が2万円程度だった旧モデルの半額以下に抑えた。
デフレ不況で日本の景気が低迷する中での新製品の投入。
やはり価格は旧モデルの半分以下という低価格となった。
天下のソニーブランドでも抑えられない低価格化の波と言えよう。

ソニーの低価格化戦略にはライバル他社の動きがあった。
国内の電子書籍端末市場では、
楽天が7月に7980円の「コボタッチ」を投入しており、
世界首位の米アマゾン・ドット・コムも近日中に、
キンドル」の日本版を低価格で発売する見通しだ。
価格だけで決められるものなのか?疑問が残るが、
ソニー以外の上記他社も大手であり下手な商品ではないのだろう。
すると最終的に消費者の目は価格に移り低価格なものが選択される。
市場の原理を踏まえて、競争激化を踏まえて、
ソニーも低価格戦略で勝ち残りを目指すのは当然のことであろう。

リーダーの新モデルは、旧モデルにあった、
音楽再生機能などを省くことでコストを抑えた。
読むことができる日本語の書籍数は約6万3600点で、
現時点で最も安いコボタッチの約4万7700点より多い。
ページをめくるときに画面が黒く反転する頻度も、
コボタッチの半分以下で目にやさしいという。
音楽再生機能を省いたことはかなりな大勝負だろう。
音の世界を端末から省くことは大きなリスクと言えると思われる。
書籍数についてはかなりの数だと思うが現時点で大きな魅力だろうか?
ページをめくる際の黒反転が少ないということは、
目がチカチカする現モデルよりもやさしい機能であり評価できる。
しかし、どんなに機能的に充実させたくても価格の壁がある以上、
機能を抑えたものにせざるを得ないのは寂しい限りである。