「深層崩壊」危険度マップ公表、過去の痕跡分析

猛暑も一段落したのか爽やかな風を感じるようになった。
これから秋の良い季節がやってくる。
しかし、反面、台風や長雨などの雨による土砂災害も危惧される。
豪雨の際に地下深くの岩盤が崩壊し大規模な土石流などの原因となる
「深層崩壊」について、国土交通省は、
発生の確率が高いと考えられる地域の危険度を分析した地図を公表した。
自然災害は準備をしておけば防げる災害である。
今回国土交通省から提供された地図は大いに役立つのではないだろうか。

深層崩壊は同じ場所で繰り返し起こりやすいため、
2010年の同省調査で発生の恐れが「特に高い」とされた、
約2万6000平方キロ・メートルの地域について、
過去に深層崩壊が起きた痕跡約9000か所を、
空中写真から特定して調べたという。
つまり過去のデータを空中写真という形にして地図化し、
非常にわかりやすくしたものとなっている。

その調査結果は、痕跡が「特に多い」のは、日本アルプス四国山地
九州山地を中心に17県にまたがる約4700平方キロ・メートル。
同省は「避難場所の設定などの参考にしてほしい」としている。
この行政からの資料提供を受けて地方行政では、
雨の季節、台風の季節が来る前に素早く対応して欲しい。
ここまで資料が揃っていて避難場所も決まってないでは怠慢だろう。

地図は発生の確率が高い地域を5キロ四方に区切り、
痕跡が「特に多い」(22か所以上)、「多い」(11〜21か所)、
「少ない」(1〜10か所)、「なし」の四つに色分け評価している。
地図に関しては素人でもわかるように丁寧に可視化されており、
災害マップとしてはよくできたものとなっていると思う。
土砂崩れなどの災害は来ないに越したほうが良いに決まっている。
しかし、たとえ来たとしても準備をしておけば命は助かる。
そのためのマップであるので最大限活かしたいものだ。